ニュースでよく耳にする燃料電池自動車。燃料電池といえば水素と酸素を使うものが有名ですが、それ以外にも様々なタイプが研究されています。
今回はおうちで気軽に新エネルギーを体験できる工作キットを紹介します。マグネシウムと酸素と塩水で発電して走る燃料電池カーです。
マグネシウム燃料電池カー JS-7900(1000円)
シンプルなミニカーで、対象年齢は10歳〜。作ったのは工作好きな長男(9歳)。タイヤをはめる部分が固くて少し力が必要でしたが、特に問題なく組み立てられました。
車ができたら燃料電池の準備をします。使うのは、黒色電極、不織布、マグネシウムシート、塩水です。
まず、塩1:水5の割合で塩水を作ります。(塩の割合が多くても発電しますが、1:5のときに一番効率がよくなるそう。割合を変えた塩水を作って、発電効率を調べるのもオススメです)
黒色電極の上に不織布を重ね、不織布にスポイトで5滴ほど塩水をたらします。
その上に、マグネシウムシートを重ねればOK。電池カバーを閉じて、車に差し込むと・・・
すごいスピードで車が動きはじめました!
組み立てが甘かったのか、すぐ曲がってしまいますが、勢いがあるので見ていて楽しいです。1回の発電で約15分、繰り返し使うと1枚で約3時間走ります。
しばらく走らせたら電池を確認。すると、マグネシウムシートがボロボロになっていました!その理由は・・・後ほど説明しますね。
4WD燃料電池カー JS-7903(2090円〜)
ミニカーより組み立てがいがあるのが、4つの大きなタイヤで凸凹道でも力強く進む4WDカー。こちらもマグネシウム燃料電池で動きます。対象年齢は10歳〜。
複雑なので組み立てるのに時間がかかりますが、ガッシリしていて安定感があります。ミニカーはプレゼントにするには少しチープですが、こちらはプレゼントにも向いています。
燃料電池の仕組みはミニカーと同じ。動作はミニカーに比べるとゆっくりです。
コネクターのプラスとマイナスを入れ替えると、進む方向が逆になってバックします。ミニカーと4WDの動きはこちら↓
マグネシウム燃料電池とは?
さて、ではマグネシウム燃料電池とは一体何なのでしょう?
マグネシウム燃料電池とは、電気化学反応によって電気を取り出す燃料電池の一種。活性炭素に含まれる酸素と塩水の力で、マグネシウムの表面を溶かすことによって、電子を発生させています。
金属が塩水などの水分にくっつくと、金属の表面では、電子と呼ばれる電気を伝える粒と、金属イオンの粒が発生します。この電子が電線の中を動くと、電流が流れます。
使ったマグネシウムシートがボロボロになるのは、マグネシウムからイオンが溶けでるから。ちなみに、ボロボロになったら交換すればOK。マグネシウムシートだけでも売っています。
仕組みについて、それぞれの説明書に詳しくのっているので読んでみてくださいね。
マグネシウム燃料電池 メリットは?
食塩水を注ぐだけで放電が始まるマグネシウム電池は、安全で取り扱いが簡単。また、発電時にCO2を排出しないので環境負荷も少ないのも特徴。災害時の非常用発電機に使うことが想定されています。
たしかに、今回の工作キットでも全く危険を感じませんでした!燃料電池の基本を学ぶのにはピッタリですね。他にもいろいろなキットが出ているので、探してみてくださいね。
さあ、明日は何して遊ぼうかな?